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OT(作業療法)の初期評価|3歳からの個別療育・不安が強い男の子場合④

療育

STも始まり本人も施設へ来ることが慣れた頃、医師よりOT(作業療法)も受けたほうが良いと指摘がありました。恐らく感覚過敏があったり、身辺自立がうまくいかない事を相談していたからかと思います。

今回は作業療法士さんに初期評価をしていただいた事を書いていきたいと思います。評価をしながら本人に合った訓練をしていただき、結果として本人は楽しんで個別療育を受けることができましたし、作業療法士さんが褒めるのがとても上手なので本人のやる気もグングン伸びてきました

・3歳11か月 JSI-R(感覚統合検査の一つ)の結果  大人が質問票を書いた

JSI-R(感覚統合検査の一つ)という検査の質問紙を事前に頂いて項目にチェックし提出しました。

内容は感覚過敏の質問が多かったです。

結果ですが↓のような評価になしました。

前庭感覚(バランス感覚):
若干、感覚刺激の受け取り方に偏りの傾向が推測される状態 (健常児の約20%にみられる状態)

触覚:
感覚刺激の受け取り方に偏りの傾向が推測される状態。
すなわち、ある刺激に対し過敏であったり、鈍麻であるような状態。 (健常児の5%)

固有受容感覚 (筋肉や関節で感じる感覚)、聴覚、 視覚、臭覚、味覚:
典型的な状態となりました。 (健常児の約75%)

総合:
若干、感覚刺激の受け取りに偏りの傾向が見られる状態
偏りが推測される触覚に関しては、予測が立つことで受け入れられる事柄が広がると思われます。

・感覚過敏に対して家庭で取組める活動を教えてくれた

初回の評価は幼稚園に提出するために書面にして頂いたのですが、書類に感覚過敏に対する家庭で取組める活動を記載して頂けました。

・粘土を袋に入れて(直接触れずに)触感を楽しんだり、粘土を片抜きする遊び、 一緒に洗濯物を干 したり、ハンバーグをこねたりとお手伝いしながら楽しめることも良いでしょう。

・袋の中にビー玉やおはじきを入れて、何が入っているのかを当てるゲーム・手の甲に ○△など、 何を描いているのかを当てるゲームも良いと思います。

後は訓練室での作業療法士さんとの遊びながら評価をしていく方法の様です。

・粗大運動機能 手先の運動機能 操作性についての評価と家庭で取組める活動

粗大運動機能について:
トランポリン 輪っか両足ジャンプ・片足立ち・ケンケン跳びの課題で評価。

トランポリン→輪っか両足ジャンプでは動きも滑らかでしたが、 片足立ち・ケンケン跳びは未獲得。年齢に比して、顕著な遅れは見られませんが、ややゆっくり目に発達。 まずは親子遊びの中で、バランス遊びを取り入れながら、経験を積んでいく事が良いと思います。

ペットボトルで的をつくり、キックで的当てゲームを楽しんだり、 大きく跨ぐような動作を遊びの 中に入れていくと良いと思います。

手先の運動機能・操作性について:
スプーン操作・運筆・ボタン・鉄の使い方から評価を行いました。                   基本的な握り・つまみの動作は年齢相応に獲得されていますが、
手指の分離性は(指1本 1本をばらばらで動かすこと) やや未熟な様子。
握る力がやや弱い状態
操作性に関しては、顕著な遅れは見られませんが、ややゆっくり目に発達。

理由の1つとして、食事や着替え・排泄の動作に対して、ご本人が介助を求めることが多く、生活の中で手先を使いこなす経験が少ないことが考えられます。

家庭で日常生活動作の練習を進める時は「○回やってみよう」、「時計の長い針が△になったら終わりだよ」と見通しを立てながら進め てみると良いと思います。
「どうなれば終わるのか」というゴールを明確に示していくことは大切です。
また、お子さんが自主的に取り組んだ際は、肯定的な声かけを行い、達成感を得られるような 関わりを続けていく事は今後も必要であると思います。

とのことでした。

・評価のまとめ 不安を解消すればできる事はぐんと増える

息子の場合、不安を解消すればできる事はぐんと増えると何度も教えていただきました。今思うと確かにそうでした。当時は不安がゆえに行動できない事を母はしっかり把握できていなかった思います。

以下評価のまとめです。

環境の変化や新規場面など見通しが立ちにくい状況は、苦手な様子が見られました。また、 その気持ちをどのような言葉で表現すれば良いのか分からず、「くらくらする」「足が痛い」との言葉 で表現しているものと思われます。
「ドキドキする」「緊張する」など、 適切な表現を日常生活の中 で練習していけるとよいでしょう。

また集団生活に向けて、困った時はどのような方法で援助を求める と良いのかを具体的に教えて、実際に使う機会を設けていく事も必要かと思います。
環境の変化が予測される時は、 事前に説明をしておくことも大切ですので、その点を配慮した関わり が必要かと思います。

とのことでした。

初回、作業療法士さんが挨拶してくれたところ、顔を横に向け、母にしがみついていました。 訓練室の前で「お母さんも来て」と、母と手をつないで入室。その際に「くらくらする」「足が痛い」と訴えていました。椅子に座る場面でも、 「お母さんは、ここ」と母の座る場所を気にし、不安な様子が窺われました。 作業療法士さんが「お母さん、居るから大丈夫だよ、 椅子に座ってみて。」と指示すると、母を近くに引き寄せてから椅子に座りました。 提示された課題に関心が移った後は、母が少し離れていても気にせずに、集中して取り組むことが出来ていました始めの挨拶、終わりの挨拶は顔を横に向け、 応じる事が難しい様子でした。

2回目、入室する際はスムースでしたが、椅子に座る際に母の近くに椅子を寄せ、「くらくらする」と訴えていました。 始めの挨拶と終わりの挨拶は、初回と同様でした。

精神的な不安や緊張が強くなると「くらくらする」「足が痛い」という訴えになるようです。また、課題に意欲を持って取り組んでいる場合でも、挨拶の場面になると表情が固くなり、注目されることで緊張感が 高まる様子があったそうです。

これらの様子から、新規場面や環境の変化に不安を感じるやすい子であると指摘されました。

これから息子の約2年半の個別療育を受ける準備が整いました